第107章 知ってる?
私は去ろうとする安室さんの背中をつかみたくて、急いで立ち上がった。
「いっっっ…!!」
怪我してたのも忘れて、思いっきり踏ん張ってしまい、私は膝から倒れ込んでしまった。
「めぐみさんっ」
振り向いた安室さんが駆け寄ってくれて、立ち上がらせてくれた。
「何してるんですか。もう、今日は帰った方が……」
「やだ。」
「…。」
私は支えてくれてる安室さんの腕をすがるように掴んだ。
「怒らないで…謝るから……なんでもするから。」
「…めぐみさん」
「手錠でも、目隠しでも、コスプレでも、焼きそばパンの買い出しでも、どんなパシリでもなんでもする…!だから……っ!」
「おい。そんな僕が変態ですごい悪い人みたいに言うな。」
私は少しだけ溢れてきた涙をぐいっと自分で拭いた。
私を支えていた安室さんは、私を持ち上げるとソファにゆっくり座らせた。
「フレンチキスしなかったから僕が怒ってると思ってるのか?」
「…違うの?」
私が首を傾げると、安室さんは呆れたようにふふっと笑った。
「悪い。あの状態でフレンチキスなんかしたら、絶対止まれる自信なかった。赤井のことになると特に。自覚してる。」
「…怒ってない?」
「………。」
「ほら!」
「うるさい。ただ妬いてるだけだ。言わせるな。」
コツンとおでこを弾いて、安室さんは立ち上がった。
「さて、本当にそろそろ仕事しましょうか。貴方はとりあえずサンドイッチ食べて薬飲んでください。」
「…やきもち…?」
「…サンドイッチ食べろ。」
「あ、はい。」
お皿を目の前に突き出され、私はにやける顔を必死で抑えながらそれを受け取った。
「ところで、なんでもしてくれるようですし、腕まくらの約束もありますし、今日お持ち帰りしていいですか?しますね?」
「でも、バーボンさんは?」
「そんなもの1日あればすぐ終わりますよ。昨日でもう終わってます。」
「はやい…。」
「足痛くて色々大変でしょう?僕の家でゆっっっくりしてくださいね。」