第105章 庇う
包帯が巻かれていく。
痛みと疲れで頭が少しぼーーっとしていた。
「何か、欲しいものあるか?頑張ったから。」
優しい表情で頭を優しく撫でてくれた。
「欲しい…?今度…腕まくらしてほしい。胸に寄り添ってゆっくりお布団で眠りたい。」
「…んんっ」
降谷さんは視線をそらし頬を少し赤らめた。
「…欲しい“もの”のつもりだったんだがーー…。わかった。」
「えっ!?じゃあ、いい!と、とりけし!!」
恥ずかしい!
風見さんもいるのに!!
「取り消しは却下だ。その要望受け付けた。」
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その日の夜から次の日の夕方までは警視庁の小さな看護室なような部屋で過ごした。
弛緩薬が抜け切るまでうまく動けなかったからだ。
事後処理で忙しい降谷さんがたまに様子をに来てくれて、食事や水分は風見さんが持ってきてくれた。
弛緩薬が抜けたは鎮痛剤も飲めるから、そしたら足の痛みもマシになるだろう。
携帯も手元に帰ってきた。
暗闇で落としたあとすぐバーボンが拾ってくれていたらしい。
「この後バーボンとして出ないといけない。あとは風見に任せたから。ーー…最後家まで送ってやれなくてすまない。」
「ううん、気をつけていってらっしゃい。頑張ってね。」
「ビルにいた被害者の女性たちは無事全員保護したよ。いま、他の捜査員が井ノ原町の店の方にも向かってるはずだ。」
「ーーー…よかった。」
「めぐみのやり方は無謀ではあったけど、誰よりも早く彼女たちを助けることができた。」
「…うん。無謀なことしてごめんなさい。」
「それでも助けたかったんだろ?…もういいよ。よくやった。」
頭をポンっと撫でられ、キャバクラであった組織のこと、バーボンから逃げてきたこと、ビルの中でのことが、思い出されて、涙が溢れ出しそうだった。
たった一言、降谷さんからの『よくやった』って言葉が嬉しくて。