第101章 フレンチ
私は急いで残りのパスタをフライパンからお皿に盛った。
「お待たせしました、昴さん。」
「いえ、大丈夫ですよ。」
「温かいうちにどうぞ。あと、サラダとスープ出しますね。」
「…。」
スプーンとフォークを渡し、キッチンに戻るとスープの準備をした。
ダイニングからこちらを見てくる昴さんと目があった。
「お味どう?」
「美味しいですよ。こうやって、降谷くんにも振る舞うのか?」
「ポアロで働いてるときに安室さんにまかないとして作ることはありますよ?」
「家に行ったりしないんですか?」
「…安室さんの料理の方が美味しいから。あの人なんでもできちゃう。」
「では、こうやってめぐみさんの手料理は僕が初めてなんですね。」
「…ん…まぁ……」
「とっても美味しいですよ。僕のためにありがとうございます。」
ーー…安室さんに変なこと言わないといいのだけど。
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次の日。
私はダイニングで昴さんと向き合っていた。
「さて、明日の夜には鬼頭に会いに行きます。」
「…はいっ。」
「今日の昼間に少し待ち合わせのビルを偵察しておきました。」
えっ。
わたしが工藤邸でのんびりしてる間に沖矢さんは色々してくれてた。
「ビル一棟、人の出入りはありませんでした。恐らく鬼頭の所有しているビルでしょう。中には入れませんでした。」
「そうなんですね。」
「しかし人の気配はありました。」
「…もしかして、行方不明の女性たち。」
「わかりませんが、可能性はゼロではありません。敵かもしれない。」
「…。」
私はコーヒーのカップを握りしめた。
「その中にめぐみさん、貴方は入るんです。本当に行けますか?」
「…。」
ツラい思いをして逃げられずにいる女性たちと、帰りを待つ子供のことを考えた。
そしてーー…、嘘をついて逃げたきた、降谷さんのこと。
絶対に失敗はできない。
「はい。」
「必ず鬼頭から女性たちのことを…!情報を聞き出します!」