第97章 ケビン
「ユメさん、あっちのテーブルお願い。」
「はい!」
ボーイさん言われた席に座った。
まだまだ見習いのキャストだ。
とりあえず探るより前に、お店に慣れないといけない。
お店からもお客さんから信頼を得ないと、情報は探れないだろう。
私は毎晩のように夜中にお店に立っていた。
今日のドレスはタイトなドレス。
座ったら膝上に20センチにはなるだろうか。
太もも両端がレースになっていて、透けている。
胸には盛るためのパッドをいれて、綺麗な谷間を作り、首元にはアクセサリー。
二の腕もレースの生地になっていてセクシーな作りだ。
世のキャバクラで働くキャストの女性たちは毎晩のこんな格好で綺麗にして笑顔で働いているのか!
真顔でのんびり座ってポチポチパソコンしている私からしたら、本当に大変なお仕事だ。
華やかで煌びやかだけど、苦労もたくさんある仕事なんだろう。
ニコニコ笑って背筋をピンと伸ばし、膝に力を入れ、目の前の男性の話しを聞く。
…会社の愚痴でつまらない。
思ってても表情に出しちゃダメだ。
20分が経ち、キャスト交代だ。
まだまだ指名なんて入らないから、こうやってどんどん席を交代していく。
ちなみに『ユメ』というのは、私の源氏名だ。
「君はあっちのVIP席一人で行ってもらえる?」
「え、VIP席ですか?しかも,一人?」
そんなの大役すぎないか。
カーテンでお客さんが見えないタイプの席だ
半分個室のようになっている。
金払いのいい男性のところに私なんかがいいのだろうか。
「大丈夫。彼最近よくいらっしゃるんだけど、本当に誰でもいいみたいなんだ。ただお酒を飲むだけ。新人でもなんでもいいって美人ならって。」
美人…とこのボーイさんには認識されているようで少しだけ嬉しい。
頑張って着飾った甲斐がある。