第95章 休暇5【彼からの贈り物】
私たち二人は黙って歩いた。
ーー…さっきのは何だったんだろう。
幻覚?夢?…にしてははっきりし過ぎているし、私はよくても安室さんがこの出来事を受け入れられるのだろうか。
「さ、気を取り直して。何か美味しいものでも食べようか。」
「へっ。」
思ったより気にしてない?
もっと原因究明して、お婆さんを探して、あの家の曰くを調べりするのかと思った。
「お腹すいたって入る前にめぐみさん言ってたでしょう?」
「う、うん。そうだけど…大丈夫?」
「ん?何がだい?」
「…いや、大丈夫ならいいよ。」
道をとぼとぼと歩きながら前を歩く安室さんをチラチラ見た。
「…あの家で夢を見たんだよね?」
「…うん。」
「いい夢だった?」
「…たぶん。起きたときぽかぽかした。」
「めぐみさんが気を失ってるとき、寝言のように呟いてた。」
「…そうなの?」
「それで充分だよ。」
充分…?何がだろう。
頭にはてなを浮かべながら歩いていると、急に安室さんが立ち止まった。
私は一体なにを寝言で言ったの?
安室さんは振り替えり、私の頭を撫でた。
「より一層めぐみさんを大事にしないとな。」
「えっ!?」
「怒られるから。」
「誰に!?」
「…ふふ。別に。さっ行こう。」
なんだか嬉しそうに笑う安室さんは再び道を進み始めた。
さっきとは打って変わって人通りの多い場所。
私は見失わないよう、駆け足で安室さんを追いかけた。