第94章 君に会いに
二人で廊下を進み、階段の前についた。
「か、階段雰囲気ありすぎる。」
ライトが上まで届かず途中までしか見ることが出来ない。
真っ暗な闇が二階に広がっている…。
むわーっと生暖かい空気が降りてくる感覚。
細く並んで歩くことが出来ない。
「僕が前を行くよ。」
「手、離さないでっ」
「…歩きづらいけど…まぁ、努力する。」
急な階段を中腰で私の手をとってくれる安室さん。
申し訳ない気持ちもあったけど、恐怖には勝てなかった。
なんで、昔のお家ってこんなに急で段差が大きい階段なんだろうか。
階段を登り切った先の壁の上の方に目印があった。
「ここだな。めぐみ、階段気をつけて。」
「うん。安室さんも。」
手を離し、壁に手を伸ばす安室さんを後ろから眺めていた。
ドンッ
「えっーーー」
落ちるーーー
肩を何かに押された感覚。
ふわりした浮遊感。
遠ざかる安室さんの背中。
私は受ける衝撃を待ち構えた。
頭を守らないと…!
『間に合った。』
いつまで待っても来ない衝撃に、私は閉じていた目を恐る恐る開いた。
広がる暗闇。
「どこ?」
階段下にしては空間が広い気がした。
『おーい、平気か?』
「ひえっ!!だれ!?」
黒いスーツにサングラス、くしゃくしゃ頭。
ネクタイなんてダラっとしていて、いつも見ているピシッとした降谷さんとは正反対な感じがした。
『んー…刑事?』
…なんで疑問系なんだろう。
頭をガシガシとかきむしり、座り込む私の前に同じようにしゃがみ私の顔を覗き込んできた。
『見てらんなくて出てきたじゃねーか。ったく。』
タバコの匂い…?
こんな暗闇でタバコにサングラスって…変な人。