第86章 彼の仕事【終章】
別れてから一時間過ぎたぐらいで、安室さんから迎えを頼まれた。
空に花火が上がったり、隕石みたいなのが降ってきたり…少し離れたところでバイクにまたがって見ていたが、あれももしかして全部今回の事件の一部なのだろうか。
東京サミット会場だった場所に向かう。
すごい渋滞が起きていたが、バイクだからすぐに安室さんの所に向かえた。
ーー…ここが爆発が起きた場所。
コータさんが巻き込まれた。
安室さんがどこにいるのかわからないから、バイクを止め、そっとコータさんに思いを馳せた。
どこのあたりなのかはわからないけれど、手を合わせた。
「やめろ。僕は死んでない。」
建物の中から出てきた安室さんは私を睨みつけながらそう言った。
「安室さんっ!よかった!」
腕をどうやら負傷したらしく、血がポタポタと垂れている。
「けが!すぐ病院に!」
「いや、もう疲れた…家に帰りたい。」
「でも…。」
「化膿止めも痛み止めもなんでも家にある。連れてってくれ。」
「…わかった。」
それでもとりあえず止血をしようと、私はシャツの下の方を破り、包帯代わりにすると、ぐっと縛り上げた。
「相変わらずやることが男前だな。」
「だって…バイクだから包帯もってきてないんだもん。…ヘルメット一個しかないよ。」
「もちろんめぐみが被って。僕は…ほら警察手帳あるから。」
止められてもそれで押し通す気だな。
「そう言えばコナンくんは?」
「無事だよ。近くに蘭さんがいるはず。」
「そっか。よかった。」
「全部…終わったの?」
「あぁ…終わった。終わったよ。」
それを聞いて私は涙が出てきた。
「ここで、全部終わったんだねーー。ここでしょ?コータさんたちが巻き込まれたの。」
「…あぁ。ここから少し離れた建物だった。」
ここで始まって…ここで終わった。
「よかった。コータさん……よかった…」
ボロボロと止まらない涙を袖で何度も何度も拭っていると、怪我をしていない方の腕で、ぐっと抱きしめられた。
「それで手を合わせてたのか…。僕は彼の家族には会いに行けないから。しばらくしてお墓ができたら…一緒に行こう。」
「…うん。」