第84章 彼の仕事【三章】
次の日の朝、私がモーニングを準備をしていると、オモテのドアをノックする音がした。
オープン前に珍しい。
「コナンくん。どうしたの?何かあった?」
「さっそくさ、お願いしたい事があって。」
ドアを開けてあげると、コナンくんはスマホを触りながら入ってきた。
「なーに?」
「この人知ってる?めぐみさん公安のお仕事手伝ったことあるんだよね?」
「おぁ…ないない。」
「うそ。前に安室さんのお仕事のことだから言えないって言ってたことあるじゃん。」
「うわぁー。」
この子嫌いっ。
「ほら、見てめぐみさん。この人。」
コナンくんの携帯には風見さんが写っていた。
昨日撮ったのだろう。背景が毛利探偵事務所内だ。
…風見さんも怪我してる。
一緒に爆発に巻き込まれたんだろうな。
「知らないかなー。ごめん。昨日来てたよね?」
外で会っても他人のふりを。約束は守らないと。
「うん、公安の人だと思うんだ。めぐみさん知り合いならこの人に近づいて盗聴器でも付けてもらおうかと思ったんだけど。」
「犯罪じゃない。」
「向こうだって違法捜査してるんだ。こっちだって手段を選ばないよ。」
「…違法捜査なの。」
「たぶん証拠でっちあげておっちゃんわざと逮捕したんだ。捜査しやすくするために。」
「へぇー!公安ってそんなことできるんだすごいね。」
「…感心してる場合じゃないよ。」
「あ、そうか。毛利先生たちは大変だもんね。」
蘭ちゃんなんて気が気じゃないだろう。
「この人と知り合いじゃないなら、他のことお願いしてもいい?」
「出来ることなら。」
「これからさ、僕と蘭ねーちゃんでおっちゃんの奥さんのところに行くんだ。」
「奥さん?いたんだね。」
あれ?いたっけ?
昔の記憶が曖昧すぎる。
「うん、別居中で弁護士してる。」
あー、思い出した。スーツ着ててかっこいい女性だ。
「探偵さんと弁護士さん夫婦か!かっこいいねー。」
「うん、で、おっちゃんの弁護のこととか依頼しに行こうかと思ってるんだ。だからさ、サンドイッチをさ多めにテイクアウトできる?多分蘭ねーちゃんに今そんな余裕ないと思うから…。」
コナンくんの言葉を聞いて私はにっこりと笑った。