第70章 お好み
ごーーーっとドライヤーを当ててくれる。
こんなことしてもらったことなんて初めてだから凄く気持ちいい。
「めぐみへのご褒美なのに、俺が癒してもらってる。」
「ん?そんなことないよ。今とっても気持ちいい。犬の気分。」
「めぐみは猫だよ。僕は完璧犬タイプだけど。」
「そう?猫かな。」
「爪立てて威嚇したりたまにパンチしてくるのに、思いがけない時に僕をドキッとさせる。」
それが意外すぎて私は後ろを見た。
「どきっとしてくれる時あるの?」
「しょっちゅう。」
「うそだー。あ、でも安室さんが犬ってのはなんとなくわかる。たまに尻尾みえる。」
「自覚してる。今から振っていい?」
「そんな自在なの?」
「犬だからね。」
ドライヤーのスイッチを切って、片付けにいくとすぐにさま帰ってきた安室さん。
なんだか嬉しそうな表情で、ベッドにすわる私の前に膝をついた。
「…?」
なにがしたいんだろうと待っていると、私の胸に飛び込むように抱きしめてきた。
…たしかに、いま尻尾振って甘えてる犬みたいだと思った。
頬に当たる安室さんの髪の毛を、よしよしと撫でた。
「このランジェリー似合ってる。」
「着る機会が来るとは思わなかったよ。でも、ありがとう。よくサイズわかったね。」
「見たらわかる。」
わかるか。
「私は今安室さんの身長や胸囲を言えって言われても言えない。」
「ここのあたりとか透けてて最高。」
私の言葉にくすくす笑いながら、私から少し離れて、お腹に手を忍ばせてきた。
「んっ…すごいね…ここ前びらきなんだ。」
ぺらりとするキャミ……いや、キャミという名前でいいのだろうか。
「めぐみ…ちょっとこれはずしてみて。」
手を後ろに回してホックを外すと、器用にブラジャーの肩ひもだけを降ろして行く。
「な、なにするの?」
「いいから。」
肩ひもを外してブラジャーだけをとり払う。
「きゃっ…ま、まって!透けちゃう!」
「それがいいんだろ。ほら、手退けて。」
こんな透け透けのランジェリーで、ブラジャーなんてとったら、胸なんて丸見えだ。
上のほうに黒いレースや花があしらわれているにはいるが、先っぽなんてぜったい見えちゃうに決まってる!