第6章 研究
「眼鏡、返してください。」
「すみません。」
「ダサいのはよーくわかりました。今度またファッション勉強してお洒落な眼鏡買います!」
「だから、そういう意味じゃ…」
「ふふ。」
エプロンを外して上着を着始めた安室さん。何だか不本意そうな表情。
「夏目さんをからかおうとすると、やっぱり反撃は酷いんですよね」
「からかおうとしないでください。シフトで睡眠時間を減らすように配置しますよ。」
「それは勘弁してください。あ、ほら。また反撃されてます。」
「シフトの権限持ってるうちは私には勝てないと思ってください。さぁ、帰りましょう。鍵閉めちゃいますよ。」
「近いうちに勝ちますよ。僕は負けず嫌いですから。」
二人で裏口から出て鍵を締めると安室さんは近くに停めた車に行くようだった。
「送りますよ。」
という、安室さんの申し出は有難いが、車に乗るほど遠くない。というより目の前だ。それに、やっぱり場所は知られたく無い。
「大丈夫です!ありがとうございます。それじゃあ、お疲れさまでした。蒸し器明日持ってきますね。安室さんも探偵が休みなんですからゆっくり休んでくださいね。」
それ以上何も言えないよう、捲し立てるようにさっさと別れを告げて安室さんに背を向けた。