第63章 お疲れ様
「それにしても本当に変わりますね。すごい。」
パソコンから顔を上げ、風見さんがそう言った。
「いやいや…もうその場の雰囲気なので…。」
「めぐみさんのお陰で明日うまくいきそうです。公安を代表してお礼を言わせてください。」
「そんな!やめてください!」
「さっきまで脚組んで男に木刀振り回してためぐみさんと変わりすぎておもしろいですね。」
安室さんがくすくす笑っている。
「安室さんまで!」
「あれ?『透』って呼んでくれないんですか?さっきみたいに。」
「さっき!?いやいや呼んでませんよ!」
「呼んでくれましたよ?」
「……。」
記憶を遡ってみるが…。
「いや!やっぱ言った覚えない!!そんな…と、とととおる…なんて!!」
「言ってましたよ。」
と、言ったのは風見さん。
「え?」
「自分もマイクでキチンと聞いてました。めぐみさん言ってましたよ。録画もしてます。聞きますか?」
「嘘だ!!」
ぽちぽちとノートパソコンをクリックしていく風見さん。
すると突如部屋に響く、録音された私たちの倉庫での会話。
【タロージロー。先に行きな。】
【へぃっ!】
【透。あなたも先に。】
【…。わかりました。】
「………。」
みんなが私をみている。
拷問だ。
恥ずかしい。
「これ、私じゃないっすね。」
「他に誰がいるんですか。」
肩を震わせる安室さん。
「記憶にないので無効です無効!」
「残念。いつでも透って呼んでいいですからね。」
「結構です!」
「彼氏なのに。ホント照れ屋ですね。」
ぐっと、睨みつけていると、タローが前に出てきた。
「あのーいちゃつくんなら、俺ら帰っていいっすか?まだ何かあります?」
すると風見さんが立ち上がった。
「いや、君たちは今日はもう帰ってくれて構わない。明日どうなるかまた連絡させてくれ。」
「うぃーっす。」
「くれぐれも今日のことは内密に。我々のことも全部。」
「口は固い方なんで。」
「ぜーーーーったい誰にも言うなよ!!」
「おっす!姐さん!!」
目を輝かせて二人は言った。
…懐かれたなぁ。