第61章 潜入準備
色々なスパイグッズを試して行き、不備がないかなどをみていった。
「めぐみは用意しておいて欲しいものとかあるか?」
「…ぼくとー。」
「は?」
「硬めの木刀。」
「…あー、用意させとく。かためだな。…っ」
下を向いてるからぜったい笑ってる。
このやろ。
あれあると落ち着くんだもん。
当日は安室さんとタロー、ジロー、私が中心となって会合には参加。タロー、ジローにいたっては、向こうに既に顔が割れているし、今まで仲介役として話し合っていたから、参加は必須だ。
その他諸々のグループのメンバー五人がわらわらとついてくるが彼等は今回の作戦については知らされない。
向こうも10人くらいで指定された場所(倉庫街)にくるはずだ。
少し離れた場所には風見さん達が待機。
カメラで見ながら、安室さんに逐一報告がいく手筈だ。
何日も流れを練習した。
「僕が指示をした時、了解した場合は左手人差し指でどこでも良い、とんとんっと叩くように。」
「左手人差し指でとんとん…了解。」
復唱しながら頭に入れていく。
「何か困ったことがあれば右手で拳を作れ。何に困ってるのか必ず見つけてやるから。」
「困ったら右手でぎゅー。」
左手とんとん右手ぎゅー…
ぶつぶつと頭でシミュレーションする。
「セリフは決めとかなくて本当にいいんだな。」
「うん。まず覚えられないし、その場の雰囲気で話した方がたぶん『総長』になれる。意識しちゃうきっといつもの私に戻っちゃうから。」
「そうか。」
毎晩毎晩ドキドキする。それは日に日に大きくなっていった。
失敗したらどうしよう。
警察がバックにいるとバレたらみんなが密輸組織に狙われる。
「めぐみ。」
「っ!」
会議室の椅子に座って考え込んでいると、安室さんが横に座って顔を覗き込んできた。
「大丈夫だから。そんなに気負わなくて良い。僕がそばにいるし、失敗したってこれから先いくらでもチャンスはある。」
「…安室さん。」
「必ず僕が君を守るから。」