第54章 警視庁へ
安室さんに警視庁に来て欲しいと言われ、ポアロから電車に乗ってのんびりとやってきた。
夕方でよかった。
ポアロを梓さん一人に任せることになるからだ。
遅くなったら困ると思って、残った食材でサンドイッチをいくらか作って持ってきた。
警視庁ってここでいいんだろうか…。
建物が色々ある…どの建物が正解なのか…。
迷って近くの人に迷惑をかける前に私は安室さんに電話をかけた。
「あ、もしもし着いたんですけど…どこからどれに入ればいいのか…」
『1番大きな建物の正面から入ればいい。そこで迎えを寄越す。待っててくれ。』
「はーい。」
言われた通り、建物にはいりベンチに座って待っていると、キョロキョロしている男性がいる。
人の出入りは多い。
もしかして私を探しているお迎えの人かもしれないと、立ち上がり彼の視線に入るよう歩いた。
目が合い、こちらに向かってくる。
緑のスーツに、眼鏡。背の高い男性だ。
「夏目めぐみさんですか?」
「はい。」
「風見と言います。」
そう言って警察手帳を見せられた。
…彼がよく安室さんの口から出てくる『風見』さん!
やっぱり警察の人だったのか!
「あまりキョロキョロせず、こちらに着いてきてください。」
「わかりました。」
背筋がピンっと伸びて厳格そうだ。
真っ直ぐ進んでいく彼に私は着いて行った。
途中『関係者以外立入禁止』の扉に入って行き、一気に人気が無くなった。
そして更にカードキーのようなものをかざして入っていく扉…。
すごい厳重だ…!
そしてついに誰にもすれ違わなくなった。
廊下を歩き続けいくつかの部屋を通り過ぎ、1番奥の扉を開けるとさほど大きくない部屋に入った。
そこにはスーツの男性が二人がいて、こちらを見ている。
彼らのさらにその奥、閉められたブラインドの前に、安室さんが立っていた。