第52章 ある日の降谷さん(風見さん視点)
カシャっとプロジェクターに資料を映し出していく。
近くにいた捜査員高橋が、降谷さんに缶コーヒーを差し出した。
降谷さんはそれを飲みながら自分達の話を聞いた。
「その三つのグループのうち二つが手を組んで、武器を密輸組織から反社に流してるんだな。」
「はい。コレが湘南グループのリーダーです。」
ガシャっとページを送り、若い男をうつした。
「若いな。そして、このグループと東京のグループが今度会合をすると。…そこでうまく潜入して大元の密輸組織を探れたらいいな。」
「はい。これが東京のグループのリーダーです。昨日捜査員が撮影に成功しました。中々出てこないリーダーだそうです。」
カシャっとページを送って写真を差し替えると、降谷さんは飲んでいたコーヒーを盛大に噴き出した。
「ぶっ!!!ごほっ!げほっ!!」
「ふ、降谷さん?」
咳き込む降谷さんにとりあえずティッシュを差し出した。
それで、口元をぬぐい写真を凝視している。
「昨日撮影?」
「はい。そう聞いています。」
「数年前じゃなくて?…昨日。確かだな?」
「はい。」
降谷さんはダンっと缶コーヒーを机に置くと、「あの馬鹿!」と、呟いた。
知り合い…なのだろうか。
降谷さんは立ち上がり、どこかに電話をかけ始めた。
「僕だ。今何してる?」
足をパタパタとしてる。イライラしているようだ。
「梓さんに任せられないか?あぁ、急ぎだ。…怒ってない。」
嘘だ。怒ってる。
「本庁だ。…いや警察庁じゃなくて警視庁。」
…一体誰と話をしてるんだ。
「いやだから怒ってないって。着いたら中のロビーで待っててくれ。」
電話を切って盛大なため息をつく降谷さん。
「風見。すまないがあとで下に人を迎えに行ってもらいたい。見た目はダサい黒縁眼鏡。黒髪でダサいハーフアップ。服は地味な女だ。」
…こんな人を悪くいう降谷さん珍しい。
「わかりました。」
そしてもう一度大きな大きな声でため息をついた。