第46章 電話
だいぶんポアロに近づいてきた時、安室さんがすこし真剣な声で話し出した。
「パーティーのことや、さっきの赤井との会話で何か気づいたかもしれないが…明日からとりあえず3日休ませて欲しい。」
「…ん。わかりました。」
「うまくいけば3日で終わるはずだが…もしかしたら…いや、終わらせる。失敗はできないからな。」
「そんな大変なことなの…?」
「…。」
言えない事なのだろう。
右手にハンドルを握ったまま、左手で私の頭をぐしゃりと撫でた。
「バイト…休んでばっかりでごめんな。」
私は首を振って、安室さんの左手を強く握りしめた。
「…怪我したら必ずきて。明日からしばらく私は締めまでポアロにいるようにするから。」
「あぁ…ありがとう。」
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「めぐみはどこに住んでるんだ?」
「…ポアロの近くだよ。本当にすっごく近く。」
「そうか、あの辺アパートやビル多いもんな。どこに停めればいい?」
「じゃあポアロの向かいの建物の裏側に回ってもらってもいい?」
「了解。こんな近くだったんだな。仕事終わって送ろうかと言った時断ったのはそれでか。」
「うん。あ、ここでいいよ。ありがとう。」
「無茶…しないでね。」
車を降りてドアを閉める瞬間安室さんの目を見て心からの言葉を送った。
「大丈夫、僕は死んだりしない。めぐみがいるから。」
死ぬ…?
怪我どころかそれを考えてしまうほどのことがこれから起こるのだろうか…。
それもきっと言えないんだろうーー…。
「…いってらっしゃい。安室さん。」
「あぁ。」