第44章 独り占め
カードキーで部屋に入ると、靴を脱ぐことも無く手首を引かれ、中にぐんぐん入っていく。
毎回、靴すら脱がせてもらえないー。
ベッドを通り抜け、壁一面窓ガラスになっている所の前に立たされた。
…夜景がすごく綺麗だ。
パチンと音がして、少しだけ明るくなった部屋。
そのため窓ガラスには私とその後ろに立つ安室さんが薄く反射して映し出されていた。
「…綺麗だ。」
すっと首筋に唇を寄せてきた。
ピクリと反応してしまう身体。
空いた左肩を優しく撫でている。
「…っ」
「飲んでる時も、触れたくて仕方なかった。」
耳元に、ちゅっと分かりやすく音を立ててキスをされると、私は窓ガラスに手をついた。
「…んっ」
「ここのスリットにも目がいってしまった。」
「ひゃっ」
マーメイドで横が大きくスリットになっていて、脚が見えていた。
そこに、安室さんは指先をいれ、撫で上げた。
「この格好を赤井が俺より先に見ていた…というだけで腹が立つ。」
「…つっ」
ガブリと耳たぶに歯を立てられた。
「めぐみの口からやつの名前が出るたびに、腹が立って仕方ない。酔った姿をやつに見せた。めぐみが抱かれたと勘違いするようなことがあったんだと、想像しただけで、あいつを殺したくなる。」
こ、ここ、ころっ!?
それは穏やかじゃない!
驚いて首だけ振り向くと、バチッと目があった。
「わかってる。醜い嫉妬だよ。独り占めする資格もないくせに、僕だけのものにしたいんだ。」
安室さんはぎゅーーーっと腰に手を回し、後ろから私を抱きしめた。
肩には安室さんのおでこが置かれている。
「…資格とかよくわかんないけど…独り占め…してもいいような…恥ずかしい…ような…」
安室さんはきっと自分の身分を明かせないからそういう風に言うんだろうけど、私だって安室さんをもっとーー…。