第42章 そんなの知らないっ!【3】
赤井さんは自分の赤い外車にもたれてタバコを吸っていた。
「…。」
「めぐみもご苦労だったな。大手柄だ。」
「…そうなの?英語で私にはわからなかった。」
「近いうちに黒の組織のコードネームがついた人物が警察庁に侵入するという情報が手に入った。」
「…え?でも…え?警察庁って…!」
何のために?安室さんに関係あるの?
「…その感じを見る限り、キミは薄々気付いているんじゃないか?安室くんのことを。」
「……だからといって私は何も変わりません。」
「警察庁に侵入となると、彼も動くだろう。」
「…じゃあシフト考え直さなきゃ。」
「そのいつもと変わらない感じが安室くんも気に入ってるんだろうな。」
「だって私には何もできない。」
「いや、めぐみの存在は思った以上に大きいさ。…さ。送ろう。」
そういって助手席のドアを開けた。
さりげないエスコートに若干の悔しさを抱きつつ、素直に赤井さんの車に乗ろうとした。
「…来たか。」
「え?」
乗る寸前に耳元で赤井さんがつぶやいた。
そして、私の腰に手を回すと、乗ろうとした助手席のドアを再び閉めた。
ヴォーンと響くエンジン音。
聞いたことのあるそのエンジン音に私は後ろを振り向いた。
駐車場に猛スピードで入り込み、急ブレーキで停まった車から出てきたのは、安室さんだった。
チラリと私を見ると、安室さんは赤井さんを睨みつけた。
あれ?二人って知り合い…だったか。
待って全然頭が追いつかない。
安室くん安室くんっていつも言ってるくらいだから、赤井さんは彼が警察ってことは知ってるんだよね?
でも、沖矢昴だとバラされたら困るって前言ってたから、安室さんは赤井さんは知ってるけど、沖矢昴が変装してるってことはしらないんだよね。
待って待ってわかんない。馬鹿だからわかんないっ!
今安室さんはどんな立場でここに立ってるの!?
私はここで『沈黙』を選択する!
絶対ボロが出ちゃう!