第36章 目隠し
『風邪をひいたので数日お休みします。』
…と、マスターにメールを送ったのが昨日。
いや、送らされた。
椅子に座らされ、目隠しをされ、後ろに縛られて何時間経っただろうかーー…。
トイレやごはんの時だけ手の拘束は外される。
食事は四回とっただろうか。
おにぎりやパンなど恐らくコンビニのものだろう。
4回ってことはもう二日もここにいるってことになる。
…はぁ。どうしてこうなったんだろう。
仕事終わりに、スーパーのお惣菜コーナーで物色して、適当に割引されたものを買って出ただけだ。
家に入ろうとした瞬間、後ろから襲われた。
顔を見れなかった、わかったのは小柄な男性ってことだけ。
やっぱりコナンくんたち周辺の人達と身近に仲良くなりすぎたせいなのだろうか。
彼らに何か関係のある事件?
風邪ひいたってマスターに連絡して、『お大事に!治るまでゆっくりしてね。』って返事を確認してそれから誰とも連絡してない…。
私の誘拐にはもしかして、誰も気づいてない可能性がある?
そんな悲しいことある?
唯一連絡していた安室さんには、赤井さんの件があって、私から遠ざかって連絡を絶ってしまった…。
なんてタイミングがわるい誘拐なんだろうか。
それにしても何のための誘拐なんだろう。
今のところ一度もそれらしい会話はしていない。
トイレ行きたいやら、水分要求やらの会話はしたが。
もしかして黒の組織に捕まったのだろうかー!
いや、それにしては放置しすぎな気もする。
「くそっ、まだかよ!」
ガチャっと部屋に入ってきた男性は焦っていた。
目隠しをされているから様子はわからないが、ガンっと何かにあたったらしい。蹴ったか、何かを投げたかー。
大きな音で私はビクッと跳ね上がった。
声からして結構若そうな人だ。
「…あの、私は何をすれば…」
「まだ役目はこねーんだよ。前のやつが時間かかってる。」
素直に答えてくれた。
意外とおしゃべりな人なのかもしれない。
隙をつけは色々聞けるだろうか。
話を聞くのは得意な方だ。
「ふーん、役目?」
「人質の役目だ。」
「前のやつってことは私以外にもいるんですか?」
「前に3人。お前は四人目。一人はうまいことして解放された。二人目は俺らのこと話そうとして死んだ。だから、お前もうまいことしろよ。」