第34章 遠ざかる
「あの…離してっ…何でもないから」
「そんな風に見えない。」
「さっき…みんなの前でレディースの頃みたいにやってしまって…ちょっと後悔して、動揺してるだけ…」
「……」
「めぐみ。僕の顔を見ろ。」
チラリと安室さんを見ると真剣な顔で私を見ていた。
なんだか全てを見透かされているようで…。
ぐっと、握られた手首に力が入れられて顔をしかめた。
耳の後ろあたりに手を置かれ、ぐっと引き寄せられた。
「やっ…!」
私はおもいっきり安室さんの胸を押しキスを拒否した。
「めぐみ。」
「だ…だめ。お願い。キスしないで…」
「……。」
「安室さーん?そろそろ行きましょーー!」
お店から響いてきた園子ちゃんの声。
「…ほら。行ってきてください。みんな待ってますよ。」
「…また絶対聞き出しますからね。僕はしつこいですよ。」
私の指先をぎゅっと最後力強く握りしめてから、安室さんはみんな元に行った。
その日の夜、安室さんから何度か電話がかかってきたけど、私は出る事ができなかったーー…。