第31章 あなた色
それで、午後から空いてるって言ったのか。
「本当は断りたかったんだが、僕が断ったところで次はめぐみに連絡いくだろうからな。」
「…そっか。じゃあ私が行きます。安室さん休んでて?」
「いいのか?身体…痛いだろ?」
「っ…!ばか!」
「めぐみに罵られるのいいな。普段言われないから。」
「……」
ただの変態発言には返事はしなかった。
「安室さんの家の近くで降ろすよ?」
「いや、やることあるから米花駅でいい。」
「はーい。」
帰りは高速道路で帰った。
スピード出せるから気持ちがいい。
「ちょっと…飛ばし過ぎだぞ。」
「はっ、140出てたっ!ごめん。」
「急いでないから。めぐみと少しでも長く過ごしたい。ゆっくり行こう。」
「…っ、はい。」
しばらく色々考えながらバイクを走らせた。
「ねー、安室さん。私もバイク返却したらポアロいくね。やっぱり安室さん帰って寝て?」
「いや、実は昨日のことでコナンくんがお店に来るんじゃないかと思ってるんだ。」
「コナンくん?…昨日の勝負ってやつに関係あるの?」
「んー、まぁね。ちょっと話をしたくてね。」
「ふーん。」
『死んだと思ってた人が生きていた』というのは、赤井さんじゃなくて工藤新一のこと?
うーん…やっぱり私の頭じゃ何も考えられないや。
バイクを指定された駅のロータリーにつけ、安室さんを降ろした。
「ありがとう、めぐみ。」
「また安室さんが落ち込んだ時はバイクだすよ。」
「…落ち込んでない。」
「はいはい。演技でしたっけ?」
以前ミステリートレインの時も同じようなことを言っていた。
性格的に弱ってるところは見せたくないんだろうな。
まぁ、それが普通だよね。
「ポアロ…本当に平気?疲れてない?」
「ポアロはむしろ安まる場所でもあるんだ。のんびり過ごせるからな。」
「ならいいけど…いつでも変わるから無茶ばっかりしないでね。」
「あぁ。じゃあ、梓さん一人だし行くよ。」
「いってらっしゃい。」
「…いいな。もう一回。」
「いいよもう。行くね。頑張って。」
イタズラっぽく笑う安室さんを睨みつけ、私はエンジンをふかし、駅を後にした。