第29章 真っ白
ここ数日間安室さんは探偵業が忙しいと休んでいた。
きっと先日言っていた大きなヤマというやつだろう。
何をしているのか全然教えてもらえないし、見当もつかないけれど、安室さんならきっとーー…。
安室さんがいないことで、最近はマスターにもちょこちょこ出てもらったりしていて、明日久しぶりの休みだ。
給料の計算に、発注、在庫管理…今日のうちに終わらせていた。
閉店もして、暗い店内。梓さんはすでに帰宅済み。
「ぼちぼち帰ろっかな。」
パソコンを閉じて背伸びを一回。
鍵をかけてポアロを後にした。
家に着く前、玄関の鍵を開けながらスマホを見ると一件のメール。
全然気付かなかった。
開くと安室さんからだった。
30分前からきてたみたいだ。
またシフトの何か要望だろうか…さっきシフト決めたのに。
『めぐみさんのおまじないを活かせませんでした。すみません。』
安室さん?
「んんーーー?」
…言っていた大きなヤマがうまくいかなかったということだろうか。
こんな私なんかに言うってことは相当辛かった…?
無茶して怪我してってこと?怪我…してるんだろか。
スマホを見ながら玄関に入り、通話ボタンを押した。
『はい。』
何度かのコールの後安室さんがでた。
「安室さん、ごめんなさい今メール見ました。」
『いえ、すみません、あんなメールを…』
「ううん、怪我しました?大丈夫?」
心なしかやはり安室さんの声には元気がないようだ。
『怪我は全く。……めぐみさんの心強い声援があったし、必ずうまくいったと思ったんですが…僕の力及ばず。」
「……。」
いったい何があったんだろうか。
コナンの世界。ということはやっぱり犯人を捕まえられなかったとか?誰かの命を救えなかったとか…?
元気のない安室さんに今の私が一体何ができるんだろうーー…。
「安室さん、今どこですか。」
私に…出来る事。