第25章 猫ちゃん
朝、かなり早くに目が覚めた。
あんまり深く寝付けなかった。
ここまでふんわりとした布団なんて初めてで、逆に眠れなかったからだ。
ふと目を開けると、綺麗な金髪。
子供みたいな安らか顔で眠っている。
あれだけやったんだから、そりゃスッキリするはずだ。
私は足やら腰やら喉が痛い…。
ーー…今はゆっくり寝かせてあげよう。
私は音を立てないよう立ちあがり、床に転がった自分の服を拾い上げるとシャワー室に向かった。
洗面台の鏡を見て驚いた。
胸にはいくつかのシルシがついていた。
沖矢さんにつけられたシルシを中心に。
シルシを見ているとさっきまでの情事を思い出して、顔が熱くなった。
恥ずかしくなって、私はシャワー室に急いだ。
熱めのお湯を頭から浴びて、忘れようとした。
浴び終わって、シャワー室のドアを開けると、安室さんが立っていた。
「わっ!!」
驚いて声を上げると、タオルを差し出された。
「出たのか、一緒に入ろうとしたのに残念。」
「お、起きたんですね。」
「あぁ、めぐみがいなくなったの気づかないくらい寝てたよ。めぐみは平気?身体。」
「…平気じゃないです。」
「じゃない、か。正直だな。僕もシャワー浴びてくるよ。何かルームサービス適当に頼んでくれる?」
「わかった。」
私は服を急いで着ると、朝食を頼んだ。
金額は見ないようにした。
「ポアロは何時からだ?」
「今日は8時からです。」
「あまり時間ないな、あの車を持ち主に返さないといけないんだろう?中の血を拭かないと…。」
タオルで頭を拭きながら出てきた安室さん。
昨日とは違う服を着ている。
安室さんは用意してたんだ…。
「車は平気です。わたしがしておきます。今日急いで返さないといけないわけじゃないから。」
「そうか、じゃあお願いする。」
「はい。」
「敬語抜けないな。二人の時はいいんだぞ?」
私は貴方みたいに器用じゃないから、使い分けられませんっ!
「えと…気が抜けると昔の言葉遣いが…」
「レディースの時の?それはそれでいいな。」
やっぱり安室さんマゾなんだ。叱られたいんだよ。きっと。