第22章 お買い物
あの有名なら北欧家具店へ入ってのんびり品物を見ていくと、安室さんは商品を指差した。
「このスプーンのセット安いですね、買います?」
「だから、買いませんって。無駄遣いしません。何度言ったらわかるんですか。」
安室さんは初めてこのお店にくるのか、少し無邪気だ。
あれ買おう、これ買おうと目をキラキラさせている。
気になったものは買い替えていいとマスターにも言われはしたが、利益のことは私もよくわかってる。
カーテンや観葉植物を第一に考えるのであれば、そんなに今月だけで買い換えられない。
「めぐみさん、あれあれ。壁に付けたら包丁が引っ付くやつですよね?便利そうですよ、買いません?」
「買いません。うちはただの喫茶店です。」
「あ、めぐみさん、あのランプ。壁につけるんですって。可愛くないですか?買いません?」
「買いません。どんだけ壁につけたがるの。」
だめだ。この人とこの店に来たら進まない。
金銭感覚どうなってるんだろう。
でも……私も楽しい。
「めぐみさん、この布巾4枚セットでお得ですよ。買いません?」
「……4枚で。うむ。」
お店にある食器を拭く布巾がだいぶんよれていた。
今使ってるやつを雑巾に回せば…
私は安室さんの手の中の布巾を指先で触った。
「吸水性…良さそうですね。この値段…。よし、買いましょう。」
「ふふ、めぐみさんは良い奥さんになりそうですね。」
「それをいうなら安室さんこそですよ。」
「僕が?」
「料理、掃除、器量、要領…完璧ですもん。私はお料理苦手。」
「そうですね、以前作ってくれためぐみさんのナポリタン、麺同士が引っ付いてなかったらもっと美味しかったと思いますよ。」
「………あっちいって。早くカーテンコーナー行きますよ」
へらへらっと笑いながらカートを押す安室さんの肩を押した。
ブラインドからカーテンに変更するならカーテンレールも買わなくてはいけない。
「あ、サイズ測ってくるの忘れた。」
「大丈夫。測ってきましたよ。」
「さすが安室さん!何色買います?」
「うーん、白いレースカーテンは必須ですしね。」
「あ、赤色とかどうですか?ポアロに合うと思います。」
真っ赤なカーテンを手に安室さんに見せた。
ポアロの全体的なイメージカラーが朱色っぽい感じだし。