第20章 そんなの知らないっ! 【1】
「めぐみさん、これ。」
沖矢は持っていた赤いイヤリングをめぐみの手のひらに置いた。
「ありがとうございます。」
めぐみはそれを受け取ると小さなカバンのサイドポケットに大事にしまった。
「車で送りましょう。」
「いえ、ここなら歩いて帰れます。帰りに買い物もしたいので、ありがとうございました。」
「また、連絡しますね。」
「…はい。それじゃ、コナンくんもまたね。」
「うん!ばいばい!」
めぐみは手を振り、コナンが入ってきた門から出ていった。
「で、何かめぐみさんにあるの?」
「…何のことかな?」
「何かあるから近づいたんじゃないの?」
「いや?ただの女性だよ。」
「…何もないの?」
「そう思っている。」
「赤井さんが何もないのに女性に近づくの?」
「…くくっ、君は僕を何だと思ってる。」
「FBIのエース。」
「その前に男でもあるんだよ。高校生の君にも覚えがあるだろう。きみも発散しないと困ることがあるんじゃないか?」
「僕子供だからわかんなーいっ!」
「安心しろ別に君の家に連れ込んだりはしないさ。」
「……。」
二人で工藤邸に入りながら会話をしていく。
コナンはじとっとした顔で沖矢を見上げた。
「でもいいの?めぐみさんはポアロの店員だよ?」
「…ポアロと言ったら、君の家の下の喫茶店か。」
「あぁ、バーボンがいる。」
「…それは知らなかったな。ただ、パーティーにいた好みの女性を引っ掛けたつもりだったんだが。」
「引っ掛けるって…」
「バーボンと繋がってる可能性は…」
「無いとは思うけど…一度めぐみさんが犯罪に巻き込まれたときあるんだけど、安室さんが必至に助けてたんだ。」
「バーボンが…」
「で、僕がめぐみさんに仲間なの?って聞いたら『バイト仲間だよ』って。あんまり悪い感じはしなかったけどなー。」
「ほぉー。」
沖矢こと赤井秀一は笑みを浮かべた。
そして、めぐみの首の書き換えられたシルシを思い出した。
「まさかな。」