第19章 謝罪
以前酔ってすごい迷惑をかけてしまったので、お詫びをしたくて昴さんと会う約束をした。
「こんにちは。」
「昴さん、こんにちはっ!」
待ち合わせのカフェで早めにきてミルクティーを飲んでいると、昴さんがやってきた。
席につきブラックを店員さんに頼むと優しい笑顔で私を見た。
…キスを私からしたあの時以来だ。
覚えていないけれど、昔酔った時はそれは酷かったと同席した友人に聞いたことがある。老若男女所かまわずキスしまくったらしいから、それはきっと今回も同じだろう。
私からちゅっちゅっちゅっちゅっ昴さんにキスを迫りまくったと思うと恥ずかしくてたまらない。
気持ち悪かったよね…、もう本当に申し訳ない…。
「あの…えと…」
「めぐみさん、気にしないでくださいね。お互い様なんですから。」
どう切り出そうかと悩んでいると、昴さんが優しい声色でそう言った。
先程きたブラックを優雅に飲んでいる。
「そう言うわけにはいきません。酔って覚えていないとはいえ、失礼なことをしてしまいました。本当にごめんなさい。」
「それ言うなら僕もですよ。貴女のキスにこたえましたしね。」
そう言われてかぁっと顔に熱がくるのがわかった。
こ、ここここたえたってどんな風に!?
…そういえば、首にキスマークも残したんだっけか。
どのくらいキスしたんだろう…。
だめだ、考えれば考えるだけ恥ずかしい。
「覚えてないのが残念です。それは可愛らしかったのに。」
「…や、やめてください。本当にごめんなさい。」
くすくすと笑う昴さんを見ることができなくて、手元にあるミルクティーを見つめた。
私は足元の荷物入れの箱に入れていた紙袋を取り出した。
「あの、これよかったら。」
「…?」
「お詫びに…昴さんお酒が好きそうでしたのでお口に合うといいのですが。」
「気にしなくていいと言ったのに。」
「そう言うわけにはいきません。」
「お酒に飲まれためぐみさんが、お酒を贈るんですね。また飲まれたいって意味でいいですか?」
私の紙袋を受け取りながらにっこりと笑う昴さん。
とても意地悪そうだ。
「ち、ちがいますっ!!これはワインです!私がダメなのは日本酒だけで…」
「冗談ですよ。ありがたくいただきます。ありがとうございます。」