第144章 ハッピーバレンタイン
「野菜か?」
「うん。」
「…まさか、セロリ?」
「あったりー!」
「めぐみ…もう。」
「だーめ。次で最後だから。」
「…次でおしまいだぞ。」
「はーい。」
最後くらい美味いの食べたい。と目を閉じながら言う零さん。
こっちをみていないのをしっかりと確認してしてから、箸の先をチョコの中に入れると、私は自分の唇の先にちょんっと付けた。
こんな大胆なことができるのはバレンタインだから。
ドキドキしながら目を閉じて軽く口を開けて待つ零さんに近づいた。
そして、チョコが付いたところが零さんの口に触れるようにそっと口付けた。
「…っ。」
私からはむっと零さんの柔らかい唇を軽く噛みつくと、ゆっくり離れて目を合わせた。
「何かわかった?」
「…一番甘くて美味しかった。わかんないからもう一度。」
にやっと笑って零さんは私の口にチョコを突っ込んだ。
とろりと甘いチョコが口に広がる。
ぺろりと私の口の端を舐め、私を抱き上げると膝に座らされた。
「…っ、…んんっ」
口の中で暴れる零さんの舌が、チョコ味がなくなっても止まらなくて、私は苦しくて零さんの肩を叩いた。
「甘いー…」
膝に座り、私は零さんにぎゅっと抱きついた。
「ハッピーバレンタイン、零さん。」
「最高の贈り物だったよ、ありがとう。」
「チョコ余っちゃった。私ももう少し食べよっかな。」
「変わり種はもういいからな。あ、そうだ。」
「…?」
「余ったチョコめぐみにつけて舐めるっていうプレイでもする?」
「やだよ汚い。」
「…汚いって。前にローションかけてやったとき喜んでただろ。」
「…っ!食べ物で遊んじゃだめっ!」
ローションは勝手に零さんがやったんじゃないか…!
あんなに嫌がったのに!
「じゃあ、はい。」
零さんは指にチョコを付け、私の目の前に突き出した。
「…や、だよ。恥ずかしい。」
「せっかくのバレンタインなのに?」
「関係ない…よね?」
「ちっ。」
いつも通り隠さない舌打ちをして、チョコのついた人差し指を私の口にズボッと押し入れてきた。