第139章 Till death do us part.
私は1番近くのお店で必要なものを買い込み、再びエレベーターに乗り込んだ。
都心の真ん中にこんな地下施設を公安が保有しているなんて、さすがだなー。
なんて、考えながらガシャンガシャンうるさいエレベーターを降りた。
エレベーターのドアが開き、前を見ると風見さんとローラさんがいた。
他にも何人か公安職員らしき人もいて、皆が私をチラリと見た。
「あ、邪魔なら上に戻ります。」
「かまいません。もう終わりましたから。」
捜査会議をしていたのか、風見さん達はパソコンを閉じ、荷物をまとめ始めた。
「沢山おにぎりとか買って来たので、よかったら…。」
「助かるわ。いただいていいかしら。」
最近素直になったローラさんが率先して袋からおにぎりを持って行ってくれたおかげで、他の捜査員の方も遠慮なくおにぎりを持って行ってくれた。
「…めぐみさん。それは…?」
私の後ろにある椅子に気付いた風見さんが恐る恐る聞いて来た。
「ふふふー。」
にまにま笑う。
私はカバンから拡張器を取り出すと、受話器を取りその横に置いた。
こうすれば降谷さんの声がいつでもよく聞こえる筈だ。
「おい。めぐみ。なんだそれは。」
スピーカーからよく降谷さんの声が聞こえる。
「えー?降谷さんの椅子。」
「そんなの座らないからな!折りたたみでいいと言っただろう!」
「さぁ、ちょっと聞こえなかった。」
「お前なっ!」
私は背もたれに装飾の施された、どこぞの貴族が触りそうな椅子を持ち上げた。
「降谷さんらしい、“俺様”っぽい椅子見つけて即決だった。」
「ーー…俺様。ほぉー、めぐみが普段僕をどう思ってるかよーくわかったよ。」
「あー、俺様は言いすぎた。王子様っぽい感じ!」
私は裏側に回って降谷さんが自分でガラス部屋の中に入れられる所に置いた。
私が離れたのを確認して、降谷さんは素早く部屋の中に取り込み真ん中にその椅子を置いた。
「ぷっ。」
笑ったのは私じゃない。風見さんだ。
「赤いクッションのいかにもキングが座りそうな椅子が欲しかったんだけど。そこから動けないなら少しでも快適に過ごしてね?降谷さん。」
私が微笑みかけると、私を睨みつけながら素直にその椅子に座った。