第137章 For richer or for poorer,
「まず!」
「はい。」
指先を降谷さんの鼻先に当てて大声を出した。
「今日ここに来たのはコナンくんです!」
「…コ、コナンくん?」
「蘭ちゃんがいないから、昨日のカレーを一緒に食べただけです!」
「…赤井は……?」
「知らん!なんで、赤井さんだと思ったの!」
「赤井からメールで『いい部屋だな』って来たからてっきりこの部屋に来たんだと思った。」
ーー…赤井さんが?
なんでそんなことを言ったんだろうかと考えた。
「あ、もしかして、前に赤井さんに報告電話したの。」
「報告?」
「うん、色々お世話になったから、無事に部屋も決まって仕事にも戻ってちゃんとこっちでも暮らしていけそうですって。」
「赤井にそんなことしなくていい。」
「そう言うわけにもいかないよ。よくしてもらったんだから。その時、『住みやすいか?』って聞かれて、『ポアロにも近いし、自分好みに色々変えて、いい部屋だよ』って返したの。」
降谷さんは自分が勘違いしたことをやっと理解したのか、何度か瞬きをして私を見つめた。
私は大きな大きなため息を分かりやすく吐いた。
「はぁぁぁぁーー。」
「悪い。」
「もっとさ……こう……。」
ぐちぐちと怒ってやろかなって思ったけど、ベッドの横に座って私に風を送る降谷さんを見ているとどうでも良くなってきた。
「馬鹿な人。」
「う…。めぐみ相手になるとダメだな。」
ーー私じゃなくて赤井さんでしょ。
って言ってやろうかと思ったけど、やめておいた。
髪の毛キシキシだから後でまたトリートメントしなきゃだし、降谷さんのスーツもびしょびしょだから洗濯もしなきゃだけど、今だけ。少しだけーー。
「降谷さんしか見てないから。心配しないで。ほら。」
「…ん。」
布団を広げて、降谷さんを招き入れた。
布団の中でぎゅーーっと抱きしめられる。
「…僕のシャンプー。」
「…っ!」
トリートメントしてないからすぐバレた!