そのハチミツ、極甘注意!【ヒロアカ/爆豪勝己/R18】
第6章 味を知る
「今はそっとしといてください。…おやすみなさい」
そう言って俺の手を振りほどき、蜜穂は自分の部屋に向かおうと歩き出した。
でも俺は、今度は腕を掴むんじゃなくて後ろから蜜穂を抱きしめて阻止した。
「うっ…どうしてですかっ……?」
「何で泣いてンのか教えろや」
「……自分の個性が嫌になったからです」
てっきり俺のせいだと思っていたのに、予想外の返事だった。
けどそうだとしたら、思い当たるのは────
「個性の副作用が俺に効かなかったからか?」
「……はい」
何で俺に副作用が効かないからってそこまで落ち込むんだ?
自分の個性が通用しない相手がいる、という事実が嫌なのか?
確かにそれなら、自分の立場に置き換えてみれば多少気持ちが分かる気がした。
だったら、本当のことを言えばコイツは落ち込まずに済むんじゃねぇか?
「はぁ……。わぁったよ。本当のこと言ってやる」
「本当のこと……?」
蜜穂を振り向かせ、目から溢れている涙を親指で拭う。
「…副作用、効いてねェわけじゃねーよ」
そう言っても、蜜穂の表情は良くなるどころか更に曇った。
「…そんな気遣いいらないです」
「あ?気遣いじゃねェわ」
「今更そういうの、本当に余計に惨めになるだけなので……」
「あ゙ー!ったくめんどくせェなァ!じゃあ気遣いじゃないってことテメェが身をもって思い知れやっ…」
この前と違って蜜穂の依頼ではなく、俺の意思で唇を塞いだ。