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【R15】キャラメル デェア ディアボロ【ハイキュー夢小説】

第3章 日向翔陽と飴玉


 メールの文章だけを見て心が救われて、ベッドに倒れ込んだ。
 これでまた彼女に会えるのが何時になるか分からなくなった。バレーも禁止。
 もう週末は夢も希望も無い、と思ってボールを抱きしめていると、再び携帯が鳴った。
 彼女から連続でメールが届いていて、こんな事始めてだとドキドキしながら本文を見た。

『そうだ、それじゃあ週末一緒に勉強しない?私丁度小テスト前で勉強する予定だったの。一人よりも二人の方が捗るかもしれないから、日向君が良かったらどうかな?』

 メールの文章にボールを落として画面に見入る。これはもしかしなくても勉強会と言う名のデートなのでは、と興奮してしまった。
 日向は震える手で急いで文章を打ち込みメールを送れば、数分経つとすぐに返事は返ってきた。

『図書館とかがいい?日向君が図書館苦手だったら、私の家でも良いよ?』

 彼女の家への誘いのメール。行きたいに決まっている。
 日向は今まで生きてきた中で一番の指の速さでメールを打ち込んだ。
 憧れの彼女の部屋に行けるなんて、小テスト様様である。

「……っはぁ〜〜」

 週末の勉強会の約束を取り付け、日向は胸いっぱいに息を吸い込んでは吐く。
 週末が楽しみで仕方ない。
 彼女の部屋はどんな部屋なのだろうか。考えるだけで動悸が早くなっていく。
 きっと彼女に似合った可愛い部屋なんだろうなぁ……と日向は幸せな気持ちで机の上にあるカレンダーを見ようとして、視線が止まった。
 机の上に無造作に置かれている飴玉二つ。
 夏には絶対に触るなと伝えてあるので、まだ飴玉は手元にある。


『これは悪魔の惚れ薬』


「…………」

 日向は飴玉から目が離せないのだった。





「こっこんにちわっ!お邪魔しますっ!」
「どうぞいらっしゃいませ」

 週末、勉強道具を詰め込んだカバンを肩に下げて、彼女の家に来た。
 二階建ての庭付きの一軒家。彼女はこの空間で生活して育ってきたのかと、キョロキョロしてしまう。
 そんな日向の姿を見ながら、彼女は相変わらずクスクスと笑いながらに言ってきたのだった。

「誰もいないよ」
「出掛けてるの?」

 週末なのに両親不在なのを尋ねると、彼女は答える。

「お父さんね、今長期単身赴任中でね。お母さんは今週はお父さんの所に行ってるの」
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