【R15】キャラメル デェア ディアボロ【ハイキュー夢小説】
第4章 岩泉一と飴玉
それじゃあ本題の髪の毛カットをお願いしようかと、伸びから目を開くと目の前に既に岩泉が立っていた。
「それじゃあ髪の毛何時もと同じで……」
言いかけている途中で岩泉が膝を付いたので、首を傾げながら声を掛けた。
「岩泉?」
「…………マッサージ、もっとしてやるよ」
「んっ?」
どう言う事、と首を傾げようとした彼女の隙を一瞬でつき、両手首を掴んで壁に押し付けるのと同時に口付けた。
「っ!」
いきなりキスをされた彼女が身体に力を入れたので、負けじと岩泉も力を入れた。
身長差が余りなくても男女の力の差はあったらしい。岩泉の方が力が勝っていて、ずるっとズレ落ちる様に二人で布団に倒れ込む。
彼女の口の中に飴玉を押し込もうとするも、口の中に何かを入れられそうになっているのに分かっているらしく、彼女の口は簡単には開かない。
腕と口の押し問答を続ける事二分。呼吸のしづらさからか、一瞬だけ。本当に一瞬だけだったが彼女の力が緩んだ。
その瞬間を岩泉が逃す訳がなく、手を離して背中に手を回すと少しだけ身体を持ち上げた。
気道が少し狭くなった為に苦しくなったのだろう。彼女は岩泉の背中の服を引っ張っていたが、口の力を緩めて酸素を求めてしまったのだ。
ころん
その緩みに岩泉はやっと飴玉を彼女の口の中に移す事に成功した。
(やっと入った!)
岩泉がそう思った瞬間だった。自分の服を引っ張っていた力が突然無くなり、彼女の手がぽすっと布団に落ちたのだ。
(急に抵抗を止めた……?)
何故だ、と思うと彼女は突然無抵抗になり、ポーっとした表情で岩泉のキスを受け入れていたのだ。
何故急にそうなったのか分からなかったが、抵抗しないのならば都合がいいと彼女の口内へ舌を入れた。
初めての他人の口の中に入ったと思いながら、彼女の舌の上に乗る飴玉をそっと舐めとった。
「 !! 」
途端に口中に広がる甘酸っぱさ。
先程のまでずっと口の中に入っていても、一切味がしなくビー玉でも含んでいるのではないのかと思っていたのに、急に味がしたのだ。
『好きな子の口の中で舐め合う』
美女が言った言葉を思い出す。
この飴はもしかして、一人で舐めても無味で、二人で舐めると味が出るのかと。