【R15】キャラメル デェア ディアボロ【ハイキュー夢小説】
第3章 日向翔陽と飴玉
抱きしめたまま尋ねると、彼女の口が開いて言葉を発した。
「翔陽」
全身の毛が逆だった。彼女が自分の名前を呼び捨てで読んだのだから。
ずっと日向君、と呼んでいたのに飴を舐め合ったら呼び名が変わった。
もし、あの老婆が言っていた事が全て本当なのならば……。
「ね、ねぇ……おれの事」
ドキドキしながら尋ねると、彼女は鈴の様に綺麗な声色ではっきりと答えた。
「好き」
「〜〜っ!」
ギュッと彼女を抱きしめて、日向は何度も尋ねた。
「おれの事っ」
「好き」
「おれの事がっ」
「好き」
「おれっ……!」
「翔陽、好き」
ギュッと抱きついて答える彼女に日向は惚れ薬は本物で合った事と、彼女の心を自分に惚れさせてしまったのだと理解した。
「翔陽、私の事好き?」
胸元に頬擦りしながら彼女が尋ねてくるのだから、日向は強く抱きしめて想いを伝える。
「好きだよっ!大好きだよっ!初めて出逢ったあの日から大好きだったんだっ!」
日向の告白に、彼女は嬉しそうに返事をする。
「嬉しい。私も翔陽が大好き」
結ばれたくて仕方なかった彼女が自分の告白に喜び、大好きとまで言ってくれる。
日向は嬉しさで頭がおかしくなりそうだと強く抱きしめていたら、そのまま彼女を組み敷く様に倒れ込んでしまった。
その衝撃で日向のカバンの中から紫色の飴玉が出てきた。
それを見た日向は、老婆が付け加えるかの様に説明をしてきた事を思い出した。
◆
「こっちの紫色の飴玉はね、悪魔の媚薬さ」
「悪魔の……びや、く?」
どう言う事なのかと食い入る様に飴玉を見る日向に、老婆はにぃっと笑ってから話を続けた。
「想い人と結ばれたら、それで満足かい?心が結ばれたら……身体も結ばれたくないかい?」
「から……だ」
顔を赤くする日向に老婆はピンク色の飴玉を触りながら、言う。
「この飴を食べきって呼び方が変わってから一時間以内に想い人の身体に触りな。そうだね、触るならば胸か……足の間が良いだろうね」
「足の間って……!」
バレー馬鹿である日向であっても性知識がない訳では無い。
女性の足の間に何があるか位、分かるに決まっている。