第17章 デート
「……オリオン座の神話の話をした時、
だからあんな反応だったんですね。」
ピクシスの後姿を見送りながら、
エマは小さく呟く。
「身内に邪魔されて叶わなかった恋、か?」
リヴァイはそう言うと、エマに目を向けた。
「それ言った時のリヴァイさんの顔、
悲しそうでしたから。」
「お前は本当に人の表情をよく見てるな……」
そう言ったリヴァイの顔は、
とても優しかった。
「だが、別に俺は邪魔されたとは
思ってねぇよ。」
「そうなんですか?」
エマは思わずリヴァイに問う。
「ああ。あの時の俺は、それが
最善の選択だと思っていたからな。
誰に何を言われなくとも、
結局はあの選択をしただろう。」
リヴァイはそう言うと、少し息を吐いた。