第17章 デート
「おじちゃん、騙しててごめん……」
ピクシスとリヴァイの会話が
落ち着いたところで、
エマはピクシスに頭を下げる。
「いや。
そんなことだろうとは思っていたからな。」
ピクシスはそう言って
エマの肩に手を置き、
「ワシを騙すなんて、100年早いわ。」
と、笑って見せた。
「……気付いてたの?」
「当たり前じゃろう。
恋人とおるのに、あんなに浮かない顔を
するはずがなかろうに。」
ピクシスはそう言うと、エマの頭を撫でる。
「ワシはお前が幸せならそれでいい。
お前自身がリヴァイを選んだんだろう?」
エマは大きく頷き、
「これが、私にとって一番幸せな選択だよ。」
と、ピクシスに笑いかけた。
「そうか。どうやら今度は
本当のことを言ってるようじゃな。」
ピクシスは
優しい眼差しでエマを見つめた後、
リヴァイに向き直ると、
「エマを泣かせるようなことは、
なるべくするな。
死なない工夫も忘れるんじゃないぞ。」
そう言ってリヴァイの肩を叩き、
その場を後にした。