第17章 デート
その時、
「エマ。」
エマは後ろから声を掛けられ、
振り向くと
「なんだ。
エルヴィンと一緒じゃないのか。」
そう言って困ったような表情で笑う
ピクシスが立っていた。
「……お、おじちゃん……」
エマの顔は一瞬で青褪める。
ピクシスにはエルヴィンと恋人同士だと
思わせておいたのにも関わらず、
今自分と仲良く歩いているのはリヴァイだ。
こんな矛盾が許されるはずはない。
エマは一気に頭の中で考えを巡らすが、
正直に話すしかないと腹を括った。
「あの、おじちゃん、」
「エマのことは俺が幸せにする。」
リヴァイはエマの言葉を
遮るように言った。
「ほう。
結局お前はそういう決断をしたのか。」
ピクシスは顎元を摩りながら、
リヴァイに近寄った。
エマは二人が
何の話をしているのか理解できず、
ただ茫然とその様子を見入る。