第17章 デート
「プレゼント、
何にするか目星は付いてるんですか?」
エマはマグカップを手に、
リヴァイに問いかける。
リヴァイとエマは小さな雑貨屋に来ていた。
店内は間接照明で優しい明かりに包まれており、
他の客はいないようだ。
「何も考えてない。
お前にいい案はないのか?」
リヴァイはそう言って、
エマが手に持っているカップに
視線を落とした。
「うーん。
ミカサが欲しそうなもの……」
エマはそう言いながら
エレンを思い浮かべ、少し笑みを零す。
「何だ。何かいい案が浮かんだのか?」
「いえ。ミカサの欲しいものは、
きっとエレンが喜ぶものなんだろうな
と思いまして。」
「……確かにミカサは
エレンに対しての執着心が強すぎる。」
リヴァイはそう言いながら、
小さくため息を吐いた。
リヴァイの浮かない表情に、
「調査中に困ったことでもあったんですか?」
と、エマはリヴァイの顔を覗き込む。
「いや。調査中は
忠実に命令に従うようになったが、
エレンが関わると、全く貸す耳を持たねぇ。」
「それくらいエレンが大切なんですね。」
エマは納得するように頷いた。
「そんな奴のプレゼントに適したものなんか
早々に思いつくもんじゃねぇだろ。」
「それなら、エレンと使えるものにしますか?」
エマのその提案を聞き、
リヴァイは視線をエマに合わせる。
「例えば……」
エマはそう言って何かを思いつき、
「あ。ちょっと場所変えましょう。」
と、リヴァイの手を引いた。