第13章 紹介
「なんか、調査兵団って
案外悪いとこじゃなさそうだね。」
基地の外に出ると、
サラはそう言って背伸びをする。
「まぁ、私は憲兵よりは
調査兵の方が好きだよ。」
エマがハッキリした口調でそう言うと、
「5年も憲兵団にいたくせに、
ほんと情がないんだから。」
サラは呆れたようにエマを見る。
「情がない訳ではないけど、
やっぱり私はここでの仕事の方が
向いてるんだと思う。」
エマはそう言いながら小さく息を吐いた。
「そうなんだろうね。
エマ、ここに居る時の方が
生き生きとしてるもん。」
サラはエマの頭を軽く叩くと、
「また何か面白いことがあったら教えてよ。」
そう言ってエマの顔を覗き込む。
「うん。
次こそ自分の報告は自分でしに行く!」
エマはサラに笑いかけると、
サラは手を振って
憲兵団の基地へ帰って行った。