第13章 紹介
しばらくすると、ノックの音とともに、
エルヴィンが入ってきた。
エルヴィンは床に座り込んだまま
抱き合う二人を見て、
「ああ。すまない。邪魔をしたかな?」
と、悪びれる訳でもなく呆気らかんと言う。
「お前、ノックの意味を知ってるのか?」
リヴァイはエマを抱きしめたまま、
エルヴィンを注視した。
エマはリヴァイから顔を上げ
「エルヴィンさんっ」
と、声を上げて
リヴァイから離れようとするが、
リヴァイは再びエマの頭を
自分の胸に強く押し付けた。
「何の用だ?俺はこれから
こいつを抱く予定なんだが。」
「……そんな予定だったんですか?」
エマはリヴァイの胸の中で赤面する。
「リヴァイ、お前に用がある訳ではない。
エマ。君に用事だ。」
エルヴィンはそう言うと、大きくドアを開く。
すると、ドアからサラが顔を覗かせた。
「……ごめん、
なんか来るタイミング間違えた?」
サラは思わず小声で言う。
「サラ!」
エマは声を上げて、
リヴァイの手から離れた。
サラの元に駆け寄ると、
「もしかして、
食料の件で来てくれたの?」
そう言ってサラの目を見入る。
「うん。
でもさっきエルヴィン団長から聞いたんだけど
大丈夫そうなんだね。」
サラはそう言いながら、横目でリヴァイを見た。