第12章 下手な嘘
「エマ。俺はお前を
信用してない訳じゃない。」
リヴァイはエマの腰に手を回し、
自分に引き寄せる。
「ただ、お前に面倒な思いも、
苦しい思いもして欲しくねぇし、
お前を傷付けたくない気持ちが
強かっただけだ。」
リヴァイの声は落ち着いていて、
エマは安心したように目を瞑った。
「……だが結局途中でバレて、
お前を傷付ける結果になったがな。」
「……いえ。
その気持ちは嬉しかったです。」
エマはそれだけ言うと、
リヴァイの胸で静かに涙を流す。
リヴァイはエマの頭を優しく撫で、
沈黙した。