第12章 下手な嘘
「……トランプ、ですか?」
目を丸くするエマに、リヴァイは
「そうだ。お嬢様にギャンブルは
新鮮だったんだろうな。
相当ハマったようで、屋敷の召使い諸共
夜通し付き合わされた。」
そう言って、少し笑った。
「俺はお前のお陰で、
あの場を乗り切れたわけだ。」
エマはリヴァイの胸元を掴むと、
大きくため息を吐く。
「良かった……」
「やっと信用したか。」
リヴァイがエマの顔を覗き込むと、
「それ、本当の話なんですよね?」
そう言って少し顔を上げる。
「俺がこんなしょうもない作り話を
すると思ったか?」
「思いません。」
エマはリヴァイに勢いよく抱き着いた。