第12章 下手な嘘
「最初は、あの女が
ストーカーに狙われてるらしく、
その護衛要因であの女に近付いた。
しばらく護衛したら、
食料の寄付も考えるって言われたからな。」
リヴァイは気怠そうに話し出した。
「だが、何故かあの女は
俺に色目使ってきやがって……」
「だから我慢できず……」
「抱いてねぇっつってんだろうが!」
リヴァイは思わず乱暴に突っ込む。
「とにかくだ、何とかその場を
穏便に乗り切るためには、
取り敢えずあの女と一晩くらい一緒に
過ごさねぇといけなかったんだ。」
「え、それ、完全にしてますよね?」
「……もう反論する気も失せてきたが、
やってねぇ。」
リヴァイはエマを離すと、
「だが、あの屋敷に何泊かしたのは事実だ。
悪かった。」
そう言ってエマの目を見つめた。
「……でも何泊かして何もないって、
やっぱり常識的に考えたら
おかしくないですか?」
エマは疑惑の目でリヴァイを見る。
「そうだな。
だが、これのお蔭で乗り切れた。」
リヴァイはそう言うと、
ポケットからある物を取り出した。