第12章 下手な嘘
「どうせお前は弱ったついでに、
エルヴィンに抱かれたんだろ?」
「………」
「………おい、否定しろよ。」
「………すみません。
完全には否定できないですけど、
抱かれてはいないです……」
エマが弱々しい声で答えると、
「どこまでやったんだ?」
そう言ってリヴァイはエマを少し離し、
目を見入る。
「……リヴァイさんと同じです。」
「あ?」
「リヴァイさんが貴族の女性と、
してたところまでです。」
「……お前、屋敷の前までつけてたのか……」
リヴァイは呆れたような声を出した。
そして再びエマを抱き寄せ、
「……ああでもしないと、
最後の押しが足りなくてな。」
と、嫌悪感いっぱいの声で言う。
「でも、キスくらいで
納得するもんですか……?」
「何だ。まだ俺を疑ってんのか?」
「だってリヴァイさん、
訓練も遅れて来てたんですよね?」
「……相変わらず、お前の周りの奴らは
お前に対して口が軽すぎる。」
リヴァイは大きく息を吐いた。