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自由の翼を掴む話・2【進撃の巨人】

第11章 真実と嘘



「……あの、という事は、
リヴァイさんは兵団や私たち料理人の為に、
身体を張って食料を調達しようとしていた
ってことですか?」

「そういう事だ。
今までリヴァイが
こんなことをしたことはなかったから、
私も気付くのが遅れた。
本当にどこまでも
不器用なやり方をする奴だ……」

エルヴィンはそう言うと、
困ったような顔で頭を掻いた。




「リヴァイがどこまで
あの女性に尽くしたかは分からないが
この食料難に寄付してもらえるまでに
漕ぎ着けたんだ。
それなりの代価は支払っているだろう。」


エマはエルヴィンの袖を持つ手に
自然と力が入る。




「……私、さっき、リヴァイさんに
かなり酷いこと言っちゃいました……」

涙が零れそうになるのを抑え、
エマは呟くように言った。


「……そうか。」

エルヴィンはエマの肩を抱く。



「リヴァイは、
君に知られたくなかったんだろうな。
君がこのことを知ったら、
絶対止められることは目に見えているし
こんなことをしても君が喜ばないことは
分かっていただろうから。」


俯くエマの目から、溢れ出た涙が零れ
地面に落ちた。



「それにしても、リヴァイも嘘が下手だ。
君と同じでね。」

エルヴィンはそう言うと、
エマの目に溜まった涙を手で拭う。


「大丈夫だ。きちんと話してきなさい。
今度は感情的にならず、冷静にな。」

エルヴィンはエマにハンカチを渡すと
基地へ向かって歩き出した。


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