第11章 真実と嘘
「さっき兵団に連絡が来たんだが、
食料を寄付してもらえることになった。」
「え?!ほんとですか?」
エマは思わず声を上げ、
エルヴィンの袖を掴む。
「ああ。
ある貴族が、寄付を申し出てくれた。」
エルヴィンはそう言った後、
周りの様子を窺いながら、
少し小声で話し始めた。
「私も何が起きたのか理解するのに戸惑ったが、
これはリヴァイが仕組んだことだったんだ。」
「……何でここでリヴァイさんが
出てくるんですか?」
エマは先ほどのことを思い出し、
少し胸の痛みを感じる。
「リヴァイが、貴族に直談判していたようだ。
寄付を申し出てくれた貴族は、
昨日リヴァイが会っていた女性の祖父だ。」
「……え、すみません………
ちょっと混乱して………」
エマは頭の中の整理をしようと
そう言ったきり、沈黙する。
エルヴィンは
エマが話し出すのを待った。