第11章 真実と嘘
エマはリヴァイの背中を暫く見送ると
大きくため息を吐く。
「エルヴィンさんに言われたばっかりなのに……
冷静さもないし、
完全に一方的すぎだよ、私……」
リヴァイの悲しそうな表情を思い浮かべると、
胸のあたりがズキズキと痛んだ。
あの表情の意味は何なのだろうか。
自分の一方的な言い分に困っただけなのか、
それとも自分に対する罪悪感なのか。
恋人に戻ったからと言って
リヴァイの真意は全く掴めない。
それどころか、
前より分からなくなっている気もする。
こんな状態なのに
恋人と言ってもいいのだろうか。
エマは重い足取りで
基地へ向かって歩き出した。
基地の入り口に着くと同時に、
「エマ。
真相が分かったかもしれない。」
後ろからそう声を掛けてきたのは、
エルヴィンだった。
「……真相、ですか?」
「ああ。
リヴァイのしたことの意味が分かった。」
エルヴィンはそう言うと、
基地の裏にエマを連れて行った。