第10章 信用させて
エマは俯き呼吸を整えると、
「また一方的に言い上げてすみません……
でも、私はリヴァイさんに
話してもらいたかったんです。」
そう言って袖で涙を拭った。
「よく考えてみたら、
私がリヴァイさんに話を聞いてもらうばかりで、
リヴァイさんは、あまり自分の話を
しなかったですよね。」
リヴァイは俯くエマに目を向ける。
「私はリヴァイさんに、
たくさん弱みを見せてきましたけど
リヴァイさんが私に何か相談することって、
なかった気がします。」
「私、そんなに頼りないですか……?」
「エマ。それは違う。」
エマは少し目線を上げると、
リヴァイの悲しそうな表情が目に留まった。
「俺は、少なからずお前に助けられてきた。」
「……それなら、
私にもっと相談してください。」
エマはリヴァイの目を見つめ、
「信用して欲しいと言うなら、
私のことももっと信用してください。」
と、拳を握りしめた。
リヴァイは小さくため息を吐き、
「……分かった。
とにかくお前は今晩、俺の部屋に来い。
そこで全部話す。」
そう言うと、基地の方へ歩いて行った。