第68章 約束の桜
「お前も理解している通り、
調査に出る以上、俺は死と隣り合わせの状態だ。
巨人を絶滅させるまで
死なないつもりではいるが、
一年前のこともある。
これから何が起きるか分からない。
ずっとお前の側にいることを誓いたいが、
そんなことを容易に誓うことは出来ない。」
エマはその言葉を聞き、
思わず目を瞑る。
そして一年前、リヴァイが生死の境を
彷徨っていたことを思い出し、
胸の中に苦しい震えが起こった。
「だからお前の“これからの人生全て”を、
俺に託してもらおうとは思ってない。
お前の“永遠”までを、欲するつもりもない。」
エマは力強い語感で話すリヴァイを
見つめながら、考えを巡らす。
リヴァイを失うのが怖い。
その気持ちはリヴァイと過ごす日々の中、
強くなる一方だった。
だがそれ以上に、リヴァイの信念を守りたい。
強い信念を持って調査に出ているリヴァイを
尊敬しているし、
そんなリヴァイを
支えたいと心から思っている。