第10章 信用させて
リヴァイとエマは横に並び、
基地に向かって歩き出す。
エマは何も言わず
足元だけを見て歩いた。
「エマ。今日俺の部屋に来い。」
「夜、またどこかへ
行くんじゃないんですか?」
エマはリヴァイの言葉にすぐ反応し、
問いかける。
「いや。それも昨日で終わりだ。」
リヴァイはそう言っただけで押し黙った。
「……そうですね。
私も生理終わりましたから。」
「何の話だ?」
「すみません、……もう無理です。
言ってもいいですか?」
エマはそう言うと、
リヴァイの問いかけを無視して話し始める。
「リヴァイさん。
私だけじゃ物足りないですか?」
エマは立ち止まり、
リヴァイの顔を見た。
「……おい、何の話か聞いてるんだが。」
「リヴァイさんが他の女性とも
関係を持っていることについての話です。」
エマが真剣な表情でそう言うと、
リヴァイは眉間に皺を寄せる。
「すみませんが、私は他の女性とも
関係を持っているような男性の
恋人でいられるほど、
神経図太くないんですよ。」
「……お前、俺の後をつけてたのか?」
リヴァイはエマの顔を見入った。
エマはリヴァイの発言を無視し、
話を続ける。
「浮つく気持ちが一度や二度、
あっても仕方ないかもしれません。
でも、恋人に戻ったばかりの段階で
そんなことされて……
平気でいられる訳ないじゃないですか……」