第68章 約束の桜
「どうもこうも、
これがプロポーズみてぇなもんだろうが。」
「全然納得いかない言い分ですね……」
「エマさん、とりあえず着替えてきなよ。」
突然会話に入ってきた声に驚き、
エマは後ろを振り返る。
「……ジャン?」
そこには見慣れないブラックスーツに
身を包んだジャンが立っていた。
エマはジャンの手を引き、
リヴァイからかなり離れた場所まで連れ出すと
「……何でそんな正装してるの?」
そう言ってジャンを横目で見る。
「そりゃ、結婚式だからな。」
ジャンのその言葉にエマは言葉を失った。
「とにかく、早く着替えて来て。
俺たちがこの教会建てたんだから、
その努力を無駄にすんなよ?」
「えっ?!建てたってどういうこと?!」
エマは思わず声を上げた。