第68章 約束の桜
「……リヴァイさん。
これはどういう状況でしょうか………」
「あ?見ての通りだ。」
リヴァイに言われるがまま馬車に乗せられ、
連れてこられた先で
唖然と立ち尽くすエマを、
リヴァイは嬉しそうに見つめる。
「……今日が“一年後”ですよね?」
「そうだな。」
「……プロポーズされるのは、
この桜の木の下であってますよね?」
「ああ。」
リヴァイの即答が続き、
エマは考え込むようにしばらく俯いた後
「それなら、
プロポーズもされてない段階で、
このような用意がされているのは、
どういうことでしょうか……?」
と、“約束の桜”の傍らに設置された、
小さな教会を指さした。